脱スピリチュアル・脱自己啓発

アメブロ『脱スピリチュアル・脱自己啓発』の改訂版。スピリチュアルにハマる…自己啓発セミナーに通い続ける…で、幸せは手に入るのか?

2-4 事例4 占い好きのD子さん

誰にでも人には言いたくない、言えない秘密が一つや二つはあるものです。

(当たる占い師)という人に会って、その秘密を簡単に見透かされたことがありますか?

 

スピリチュアルが好きな人は占いも好きです。(当たる占い師)と聞けば、あっちにこっちに出向き、自分のことを見てもらいます。

ちなみに、私もちょいっとコツを掴めば、そこそこの占い師やスピリチュアルカウンセラーになれる自信があります。(言い当て系)とはそういうものです。本当に本人の特殊な能力を使ってみる人と言うのは、ほぼゼロに近い。(いるにはいると経験上、思いますが…)

ひとつ言えるのは、インターネットなどでお客さんを集めている占い師は、ほぼ「コツを掴んだテクニックによる占い依存者に向けのカウンセラー」程度だと思っていてよいと思います。

彼らは、クライアントの顔色やちょっとした言動をうまく利用し、言い当てた風に会話を誘導していきます。

ですから、力のある占い師かどうか試したかったら、けっして自分の持っている問題について語らないこと。「今日、私は何を知りたくてあなたのところへきたのかお分かりですか?」と逆質問してみましょう。それをズバリ言い当てたら、それなりの力があるかもしれません。

 

さてさて、

占いに行く、、、という行動には、それなりの理由があるわけです。何の理由もなく、高いお金を払ってそのようなところへは行かないでしょう。

 

占いに行く理由は以下の大きな2つの理由です。

 

①明るい未来を保証して欲しい。

今は辛いけど、きっと将来は良くなる。と言って欲しい。良くなるためにすべきことを教えて欲しい。ということです。

 

②自分の背中を押して欲しい。

自分の中で実は答えが出てるのに自信がないから背中を押して欲しい。自分で判断しかねるから背中を押して欲しい。ということです。

 

ですから、

占いに行って自分の本意でないことを言われてしまうと、多くの人は(いうことを聞きません)。「行かなきゃよかった」とまで言います。

都合の良い話です。

 

 

 

 【ケース4】占い好きのD子さん

不安や心配事、悩むたびになじみの占い師に相談に行くDさんという人がいます。相談事は主に(転職してよいかどうか?)(いい出会いがないか?)(結婚の時期はいつか?)会社で嫌なことがあったりストレスがたまると、転職の相談をしに行き、恋人と別れると出会いがないか相談に行き、30代をすぎると結婚の時期を相談しに行っています。

その都度、占い師はなかなかいいことを言います。それは、D子さんの人生が、D子さんの思うようにいかない性格上の問題点です。

「謙虚になりなさい」「人の話はまずは受け止めること」などです。その部分が、D子さんの人生を大きく左右するポイントだと私は思うのですが、そこは完全に聞き流します。耳が痛いのか、、、答えはそこではないと思っているのか、、、。

そして、自分が納得できないことを言われると、まったく言うことを聞きません。ですから、同じ悩みのループです。悩めば相談。いうこと聞かないから似たような問題を繰り返す。悩む、悩む。

・・・を、かれこれ5年以上やっています。

 

[D子さんの生い立ち]

2人姉妹の長女。母親はヒステリーで癇癪もち、D子さんは子どもの頃からたくさん傷つきながら成長していきました。早く自立したいと、地方の大学へ進学し、以来、一人で暮らしています。

一見、D子さんは自信に満ち溢れたように見えますが、自分に対して厳しいだけでなく他人に対しても厳しい。仕事でのチームメイトのことを常に(ダメだ)とこき下ろし、自分はいつも尻ぬぐいばかりさせられていると嘆いています。

不満が溜まる度に転職をして、結果、キャリアダウンの状況に陥り、占い師のところへ行く頻度も増えています。

自分のすることに対して、批判されることを極端に嫌がるため、逆に他者へのアタリが強く、職場での人間関係では距離を置かれているようですが、本人は全くそういう部分に気が付かず、「一人でいるほうがラク」だと言います。

つきあう男性はつねにダメんずばかり。結婚を考えた人はギャンブル依存症で借金を抱えていたため破局、その後も、遊ばれるだけ遊ばれて音信不通にされたり、あまりいい恋愛ができない。その都度、占いに行くのです。

3年前、夢中になる趣味を見つけ、占い好きはだいぶ遠のきました。子供を埋める年齢が過ぎた頃から結婚もあせらず考えようと、趣味に時間を使っています。

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 D子さんの場合、育ってきた環境によって自己肯定感の低さが自己愛に転じているように見えます。D子さんの発言は、いつも

『どこかで他人を見下している』のです。

他人はダメ、自分は素晴らしい。。。。これは、かつて自分の母親が自分に言っていたことに重なるのですが、彼女はそれに気づいていません。

(ダメだから)私が頑張らなくちゃ、で、そんな男性としか縁がありません。が、自分は「すごく個性的なので、日本人でそんな自分を相手に出来る人なんかいない」と思い込んでいます。

 

他者を見下している言動をとる人は、自分に自信があるように見えますが、真意はその逆です。自分に自信が無く、否定的で、劣等感の塊です。

自信がないゆえ、他者を下げないと落ち着かないのです。そこに気づかないので、人間関係もあまりうまくありません。そして、孤独です。

何事も常に他者と比較して、「自分のほうが上」という部分を見い出そうとします。比較の物差しを当てようとしたら、スルりとかわされてしまう人物が出てくると許せません。敵視して、ライバル視して、何に対してかわからぬが競おうとします。

 

このような性格が、彼女の人生を大きく影響しているのですが、本人はそこに(気づきたくない)。その代わりに、占いに行くのです。

占い師は、そんな彼女の気性が解るので

『謙虚な気持ちを持つように・・・』と、やさしく言うのですが、本人にはあまり響かない。

 

人と話せば、その人はどんな人かという部分を素早く理解する力が占い師には求められます。特別な能力など不要です。そして、人の気持ちが解るタイプの人が多く解るからこそ、肝心なことをズバリ言えない人も多いのです。良くないことばかり言ったらかわいそうだから、期待できそうなことを言ってあげます。D子さんのような人は、そこに大きくフォーカスして、

「でも、夏ごろにはいい人が出てくるって・・・」という部分だけを信じるのです。

その前に、改善すべき部分があります。(そこができたらの話なのです)

 

占いにハマってしまう人は、

先に述べた①と②だけが欲しくてほしくてたまらないから、その部分だけを拡大解釈してしまいます。注意書きには目もくれない。。ということです。

占いやモノ見の人が見抜いているクライアントの弱点や肝心なアドバイスは耳の痛い話だということで無視して自分が求める①と②の部分だけを切り取る。

これは、まるで偏向報道の手法と同じです。都合のいいところだけ切り取って解釈すると、それは、実は真実ではないことになるかもしれな氏のです。

 

占い師さんは、お金をいただくサービス業ですからお役さんの確保は大事です。お客さんの機嫌を損ねるようなことは言いません。ときどき、毒舌を売りにする人がいますが、肝心なウィークポイントは厳しさの中の優しさをうまく使う気遣いが出来るのです。

 

 ですから、もし、占いに行くのであれば、

自分にとってあまりうれしくないアドバイスに耳を傾けてみるというのも面白い方法ではないでしょうか。

 なにはともあれ、

結局は、自分都合でしか他者の話を聞けないのが人間という生き物の性質なので、そのようなことに大金を使うことは結局は無駄遣いという範囲で終わってしまうのだと思います。