脱スピリチュアル・脱自己啓発

アメブロ『脱スピリチュアル・脱自己啓発』の改訂版。スピリチュアルにハマる…自己啓発セミナーに通い続ける…で、幸せは手に入るのか?

コラム3 朝ドラ『なつぞら』の登場人物から解る!スピ商売のカモになる人・ならない人

現在放映中の『なつぞら』で朝の連続テレビ小説(略して朝ドラ)の100作目を迎えるそうです。日本にテレビが普及して以来、多くの人を楽しませてくれている朝ドラ。

この『なつぞら』の登場人物から、スピリチュアルにハマる人、ハマらない人を考察し、私がこのブログでさんざん言っている「アイデンティティーの確立」についてお伝えできればと思います。

※ということで、ドラマを観ている人にしか分からない内容です。悪しからず!

 

【スピリチュアルにハマらない人】

●奥原なつ(『なつぞら』主人公)

 なつはスピリチュアルなどにはハマらない。大きな理由は一つ。彼女は非常に自立心が強い。十勝の柴田家に来て、養育してもらうために酪農や家事の手伝いをして、けっして自分の立場に甘えなかった。その心の強さから開拓者であるじいちゃんに認められ、なつの居場所が確立したのだ。

 客観的に見ればかわいそうな生い立ちである。しかし、その生い立ちになつは自分のことをかわいそうなどという慰めに逃げず、必死に懸命に向き合ったのだ(酪農の手伝い、家事の手伝いなど)。結果として、家長であるじいちゃんに認められ、家族同然の関係を結ぶことができたのである。

 結果として、なつは居候という立場でありながらも、自分が思うように生きることができている。演劇部への途中参加も、アニメーターになるための上京も、なつが選択して行動している。大恩人であるじいちゃんの反対を押し切る勇気は、アイデンティティーが確立されていなくてはできないこと。自分が「やってみたい」「やりたい!」ことが明確であるゆえんは、戦争で亡くしたなつの本当の両親や、柴田家の家族たちが、なつのことを一人の人間として大切に扱った証拠だと言える。

 

●山田天陽(『なつぞら』なつの幼馴染:親友)

 子供の頃から十勝という土地が好きで、この土地で生きていこうと心に決めていた天陽。彼は、絵の才能がありながら、自らのカンバスは、十勝の自分のアトリエにあるべニア板だと断言する。大好きななつの上京を後押ししたのも天陽。それは、大好きななつとは一緒になれないことを意味するが、彼は強がりだけでなく、本心から自分の人生と、なつの人生の目指す場所が大きく違うことを理解していたのだ。

 やがて、柴田のじいちゃんから開拓者精神を受け継ぎ、農業と酪農を両立し、その土地でくらす娘と結婚。(現在のストーリーはここまで)大好きな絵画は続けながらも、絵画で生きていくことは選択しない。あくまでも、開拓民としての生活が中心であることを忘れていない。

 彼の意思と決断、行動は、自分の生まれや立場を非常に前向きに理解しているものである。ドラマを観ても、天陽の生き方に悲観的な部分は無い。彼は、自分の運命を自分の自信に変えるべく懸命に生き、仕事と絵画を両立している。

 

●小畑雪次郎(『なつぞら』なつの高校の同級生:幼馴染)

 帯広の菓子屋「雪月」の2代目雪乃助の一人息子。将来は3代目だと当たり前のように自覚していたものの、東京新宿川村屋で修行している時に出合った演劇に心酔。役者として生きるために劇団員になることを決意する。

 父、雪乃助の大反対にあいながらも、結局、自分の意思を通してもらい、川村屋を辞め、演劇の道へ進む。

  彼は家族から大切に育てられたことが分かるキャラクターだ。不器用ながらも何事にも真面目で一生懸命。父、雪乃助の大反対にもめげずに自分の意志を通せたのは、家族から愛されている実感を持ちながら育った証拠である。

   最も健全な家庭に育った子の自我の目覚めと自立への道程を見るようである

 

 

【スピリチュアルにハマりそうな人】

●奥原千遥(『なつぞら』なつの実の妹)

 戦争孤児として、親戚の家に引き取られたもののおばのひどい扱いに家出。そこで出会った東京で置屋を営む女将の養女になり、何不自由なく育てられる。由緒ある家柄の男性との結婚を決めたことを機に、兄からの手紙をもとになつに会うために十勝を訪れる。(現在のストーリーはここまで)結局、兄の咲太郎、姉のなつに会わずじまいで姿を消す。それは、結婚のために自分の本当の出生を消さねばならないからだった。

➡(理由)

 きょうだいで力合わせて生き抜いていたころとは違い、親戚といいながらも心無い仕打ちに苦労した千遥。子どもの頃に家出をしたことから、その苦労は想像に難くない。

運よく出会った義母(置屋の女将)との関係は非常に良好であったが、生き延びるために自分の意思よりも義母の気持ちを優先した生き方をしてきたことは、彼女が決めた結婚から容易に解る。自分の意思から選択していない。自分の意思より、周囲の人たちとって「良かれ」という選択をしている。

 

●柴田明美(『なつぞら』柴田家 柴田剛夫の次女)

 自分をしっかり持っていて意見を変えない強気の姉 夕見子の妹。夕見子と7歳年下でいながら、忙しい母の手伝いはもっぱら明美の役目。自由人の夕見子、強い意志を内面に備えつつ居候としてしっかり者のなつを手本に、柴田家にはなくてはならない存在として、自分の役目を全うする優しい子。

➡(理由)

 年上の二人の姉(夕見子、なつ)の姿を見て育った心優しい子。末っ子は甘やかされるというが、血縁だけでいうと3人きょうだいの次女ということで、どちらかといえば(気づいたら育っていた子)の立場だったに違いない。そのため、自分が家族から承認されるために、家庭では役立つ子(家の手伝いをする等)として励むようになったのも理解できる。大好きな母にとって、かけがえのない子であろうとしている姿のようにドラマでは映る。

 明美が成長して、自分がやりたいことに出合うことを願うばかりである。夕見子、なつ、明美という3人姉妹の中で、最も承認欲求が強いのは明美だと想像する。それは、生まれ順、他のきょうだいとの関係、年齢差などが大きい。

 

他にも、いろいろな登場人物を挙げてみたいところですが、きりがないので、このへんにします。

上記の5名を例に出しただけでも、(スピリチュアルにハマらない人)(スピリチュアルにハマりそうない人)の違いがお分かりいただけましたか?

 

アイデンティティーの確立とは、

『自分の意思を明確に自覚でき』

『人生の選択にゆるぎない自信を持ち』

『自分の意思を通すためには大切な人からの反対にも負けない』

『自分の決断・行動の結果に責任を持つ』

自分を大切にする生き方ができるということです。

 

周囲の反応や期待、評価などよりも、自分の意思を大事にできることです。

 

そのために最も大事なことが(自己肯定感)なのです。

自己肯定感が満たされると得られるものは『自信』です。文字通りそれは、「自分を信じること」です。周囲の顔色や意見に左右されません。

うまくいこうがいくまいが、結果は真摯に引き受けられます。

失敗しても後悔しません。失敗しても自己愛に影響を受けないからです。

失敗から前向きに次の手を見いだすことができます。

失敗を強引に美談に変えません。自分が気の毒だという言い訳にしません。

 

ただ、ひたすら自分の人生を歩くことに懸命です。

 

 

 

そういう生き方ができると、何が得られると思いますか?

それは、、、

 

死の間際、『あぁ(自分の人生はこれで)良かった』という満足感です。

 

終わりよければ、すべて良しです。

そのためには、自分の人生経験を積むしかない。積んで、考えて、時に悩んで苦しんで、それでも、「自分の意思」に耳を傾けるしかないのです。

スピリチュアルカウンセラーやセラピスト、自己啓発セミナーのカリスマ講師の教えなどに耳を傾けてはなりません。

それでは、他人軸で生きることになります。