脱スピリチュアル・脱自己啓発

アメブロ『脱スピリチュアル・脱自己啓発』の改訂版。スピリチュアルにハマる…自己啓発セミナーに通い続ける…で、幸せは手に入るのか?

3-1 鴨太郎と魔法の杖

yahooニュース過去記事から引用します。

スピリチュアル市場は2013年時点で1兆超。

ロイターの過去記事から引用します。

自己啓発市場は2018年時点で9000億超。

 

当選金額が上昇傾向でも宝くじ市場が2017年で9000億を割ったといいます。こう考えると、スピリチュアルや自己啓発市場がものすごく大きなものであることが分かります。

スピリチュアルも自己啓発も誰もが一度は関係する商売だと市場規模から言っても過言ではありません。特別感はなく、私たちにとって当たり前にある業界なのでしょう。

書籍をはじめ、セミナー、スクールなど、スピリチュアルや自己啓発をテーマにしたビジネスは多様化しており、社会人のためのビジネススキルそのものを上げるための技能取得系スクールよりも、ストレスの多い社会で生き抜くためのより精神性の高いテーマを扱う方が、多くの人から支持されるのようです。実際に、大型書店にある(スピリチュアル)や(自己啓発)コーナーに行ってみてください。かなりのスペースを設けていろいろな本を置いています。(但し、タイトルに惹かれて買う必要はありません)

 

第3章では、スピリチュアルやスピリチュアル系自己啓発セミナーで得られるものはいったい何なのか?を考えていきます。

その前に、『スピリチュアル商売』『自己啓発商売』がどのようなものなのか、ここにある物語を書いてみます。

 

[鴨太郎の魔法の杖]

むかしむかし、海で魚を釣って売る猟師の鴨太郎がいました。

鴨太郎は貧乏なので船を買う金が無く、浜で魚を釣るしかありません。

朝早くから釣り糸を垂らし、せっせせっせと釣り上げた魚を、行商して暮らしていました。

ある日、鴨太郎は浜に白い布を纏った女神と名乗る女性に出会います。

女神「鴨太郎さん、毎日朝から晩まで、必ず釣れるか分からない釣り糸を垂らして大変でしょう」

鴨太郎「仕方ありません。わたしにはその方法しか知らないのです」

女神「鴨太郎さん、私は貴方が頑張らなくてもいい方法を教えてあげましょうか?頑張らなくても幸せになれますよ」

鴨太郎「え?そんな方法があるのですか?ぜひ、教えてください!」

鴨太郎は女神にすがるようにお願いしました。すると、女神は、

女神「ただし、いまあなたが持っているお金、すべてを私にください。後悔はさせません。後悔どころか、あなたは一生、やりたいことだけ好きなことだけしながら幸せに暮らせるのですよ。」

鴨太郎「それはもちろんです!今日は魚20匹売れました。このお金をすべて女神に差し上げます!」

鴨太郎が稼いだ金を女神に渡すと、女神は鴨太郎に目を閉じて座るよう指示すると、ゆっくり優しい声で次のような話をはじめました。

 

[女神]

あなたは朝から晩まで一生懸命働くしかないと(思い込んで)います。しかも、高価な船など(自分は貧乏だから変えない)とも思っています。それはすべて、あなたの思い込みなだけで事実ではないのです。その思い込みをまずは捨てましょう。

・あなたは朝から晩まで一生懸命に働く必要はないのです

・自分は貧乏だと思う必要はないのです

 

女神は鴨太郎に「魔法をかけます」と言い、手にもっている木の棒をクルクルッと回し、

女神「鴨太郎、あなたはあなたのままでいい。そんなに頑張らなくても鴨太郎は完璧なのです。あなたはもっとあなた自身を大事にするのです」

と言いポケットから同じ木の棒を取り出し、鴨太郎に渡したのです。

女神「鴨太郎、あなたはこれでもう自由に好きなことをして生きていけばいいのです。ただし、この大事な魔法を一人でも多くの人に勧めましょう。多くの人も幸せになってもらいたいでしょう?森に行けばこのような棒などいくらでもあります。棒を拾って、私があなたに施した儀式と同じことを、一人でも多くの人に与えれば良いのです。ただし、これはとても大事な魔法です。授ける時には、お金をもらいなさい。その金額は、あなたがこれまで1日に魚を売って稼いでいたのと同じくらい…。そうですね、魚20匹分くらいの金額で、この魔法を伝えるのです。」

 

その日、鴨太郎は家に戻り、妻と子供にこう宣言しました。

「オレはしばらく漁を休む。その代わり、この棒を使ってとっておきの方法を沢山の人に広めるんだ!」

 

鴨太郎は自分の知り合いたちに、女神から教えてもらった方法で次から次へと「幸せになる魔法」を魚20匹分の金額と引き換えに伝えるのでした。

気がつけば、鴨太郎は漁をしなくてもどんどん金が入ってくる金持ちになっていきました。鴨太郎から魔法を授かった者たちも、鴨太郎と同じ方法で知り合いに広めていきました。

鴨太郎はそうした者たちの長として、時に集会をして「やりたくないことはせずに、好きな事だけをして幸せになる方法」を伝えるのでした。その集会に参加するのにもお金がかかります。

 

そのような中に「鴨太郎さんが広めている魔法を、金貨10枚を払って受けたのに、何も変わらない!騙された!」と言い出す人が出てきました。そのような人たちに、鴨太郎は、

鴨太郎「まだ、あなたのなかに手放していない執着があるからです。その執着を手放し、本当の意味でこの魔法がかかれば、あなたは好きな事だけして生きていくことができるのです」

と言いました。鴨太郎は(こんなことで自分の知り合いから金を取って勧めて友達を失うことはないのだろうか?)と遠慮している人たちに、自分の魔法を心から信じるように伝えるのです。

やがて、鴨太郎から伝わった魔法にかかった人たちは、自分たち独自の魔法で商売をするようになっていきました。ある者は(飲むだけで病気が治る水)を売ったり、またある者は(持つだけで願いが叶う石)を売ったり、、、そうした人たちがどんどん、、、どんどん、、、増えていきました。

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この先、鴨太郎が暮らす村がどうなっていくのか、読者の皆さんで考えてください。

 

世の中は深刻な人材不足です。どの業界も人が足りなくて困っています。労働力の要る仕事は特にそうです。

 

私はスピリチュアルも自己啓発セミナーもMLMネットワークビジネス)に似ていると言ってきました。前に書いていたブログでは、スピリチュアルや自己啓発セミナーに参加する人たちの間で出回る商材の大半がネットワークビジネスで取引されているということについても書いていましたが、

そもそも、こうした心の弱みに付け込む(ハッピービジネス)のカタチは、ネットワークビジネスと大いに似ているのです。

 

本来、スピリチュアルに求められることから大きくそれてしまっていることに気づきません。(茹でガエル)と一緒です。どっぷり浸かってしまうと自分が本質から大きくそれ、自分が茹でられていることにさえ気づかないまま、幸せのつもりをしつづけるしかなくなります。自分で自分の首を絞めていることと同じなので、どんどん苦しくなりますが、その苦しみさえ気づきません。

 

長く築いてきた経験、培ってきた信頼、大事にしてきたお金、、、すべてを失ってから目が覚めても、、もう遅い。。。とは、可愛そうで言えませんので、ここで、ことわざを借ります。唆される甘い声より、昔の人たちからの叡智を借りたほうがよさそうです。

天は自ら助くる者を助く

 

 あなたは、ご自身を助けますか?