脱スピリチュアル・脱自己啓発

アメブロ『脱スピリチュアル・脱自己啓発』の改訂版。スピリチュアルにハマる…自己啓発セミナーに通い続ける…で、幸せは手に入るのか?

1-5 スピリチュアルのカモ被害はマスコミの功罪

バブル崩壊を境に日本経済が一気に暗黒時代へと転じ、明るい将来が夢幻となったタイミングの中で、スピリチュアルブームがやってきました。
もともと、時代の先を行く米国からニューエイジ思想が日本へ波及していった土台があったことが追い風になったと思われますが、誰でも理解しやすく、受け入れやすく「幸せはココロ(心がけ)次第。見えないモノにこそ真実がある」という思想とともに『スピリチュアル』という言葉を日本に広めたスピリチュアルカウンセラーの影響は大きい。
不安という厚い雲に未来への明るい展望が遮れてしまった多くの人たちが、スピリチュアルに飛びつきました。見えない世界のスピリチュアルというものの中に、報われたいという希望と、願いは叶うという期待を求めたのです。

世の中のニーズに応えるように、テレビや雑誌などの媒体では(占い)や(心霊もの)の番組が数多く企画され、多くの人たちが影響されました。スピリチュアルが商売になることも、マスコミ主導による「トンデモコンテンツ」の流布によるものが大きいと思います。人々が飛びつけばどんなことでも公共の電波に乗せてしまって良いというものではありません。特に、地上波テレビ局は公共性が非常に高いのですから、発信する情報に対する責任を持つべきです。

「テレビ(番組)で知ったから…」という理由だけで、発信された情報を鵜呑みにする人が多いのです。


『流行る』という現象がより多くの人を惹きつけました。そして『流行』はマスコミによって作られます。作られた流行は世の中のニーズになります。人々が社会がそれを求める…、社会が人々を誘導したといっても過言ではないのです。

 

霊感商法による被害者が増えたのもスピリチュアルブームが一因となっているはずです。(見えないモノにこそ、超自然的な世界にこそ、偉大な力がある)と思わせ、霊的な力が、人間の生活に大きく影響しているなどとと思わせてしまったことで、スピリチュアルに対するアカデミックな根拠や証明などないままに存在を認めさせてしまったのです。(目に見えない)(不思議な)(超自然的な)物事は、非常に魅力的です。「あるかもしれないスゴイ世界」に、多くの人たちが期待しました。

 

テレビ各局は、もっと慎重に取り扱うべきでした。マスコミによる「スピリチュアル系番組」による功罪は大きいと言えます。